禁煙を心がけている人におすすめされている電子タバコ。
普通にタバコを吸うよりも体への害が少ないということで電子タバコを吸う人も少なくありませんが、実は電子タバコは無害ではありません。
そこで今回は、電子タバコが与える体への害について解説します。
目次
そもそも電子タバコとは
そもそも「タバコ」には、以下の2つの種類があります。
- 加熱式タバコ
- 電子タバコ
今までは加熱式たばこが主流でしたが、徐々に電子タバコがシェアを獲得し始めています。禁煙ブーム到来時には一気に電子タバコへ転換した人も多かったのではないでしょうか。
そんな電子タバコは、リキッドと呼ばれる液体を加熱してその蒸気を吸う製品のことを言います。
含まれる成分は
電子タバコに使われているリキッドは主に以下の2つの成分に分類されます。
- プロピレングリコール
- 植物性グリセリン
どちらも食品添加物として使用されているため、大きな害はありません。
電子タバコは「たばこ」ではない?
実は、日本国内で販売されている電子タバコは「たばこ」ではありません。
電子「タバコ」という名前こそついていますが、たばこ事業法においては「たばこ類似製品」として扱われています。つまり、法律上は「たばこ」ではないのです。
そのため、電子タバコは未成年以下でも使用することができます。(業界が自主規制しているので未成年以下への販売はされていません。)
電子タバコの健康への被害
食品添加物を使用している電子タバコは、加熱式たばこよりも体への害が少ないことは確かです。
ただ、電子タバコには電子タバコにしかない健康への被害が報告されています。その被害をご紹介します。
加熱して肺の奥へ吸い込んだ時の安全性は保障されていない
まず、食品添加物である以下の2つの成分についてです。
- プロピレングリコール
- 植物性グリセリン
あくまで食品添加物として使う分には問題はありませんが、加熱して肺の奥まで吸い込むという行為をして安全かどうかは保障されていません。
そのため、何かしらの健康被害が出る可能性は0ではないのです。
アメリカでは肺疾患が出ている
日本ではあまり報告されていませんが、アメリカでは電子タバコを使ったことで肺疾患になる人が続出しています。
この情報は令和元年になりますがいまだに健康被害症例の原因については明確にはわかっていません。ただ、「電子タバコを吸い始めた」という共通事項がありますので、電子タバコが関係していることは明白でしょう。
電子タバコのアメリカでの被害についてはこちらを参照してください。
ホルムアルデヒドが検出されることもある
さらに、電子タバコで使用されているリキッドにも問題が生じることがあります。
過去にリキッドの中にニコチン成分が含まれていなくても、リキッド内にホルムアルデヒドなどの有害物質が検出されることがありました。
研究結果はこちらです。
電子タバコがもたらす健康以外への被害
電子タバコを吸って自分だけに被害が及ぶのであればまだマシな方ですが、健康以外にも色々な被害が報告されています。
その一部をご紹介します。
バッテリーの爆発事故
電子タバコにはバッテリーが内蔵されています。
多くはリチウムイオン電池が使用されていますが、電子タバコを使用している最中にリチウムイオン電池が爆発した事故がありました。
実は電子タバコによる爆発被害は過去8年間で200件以上に及ぶといい、ほとんどの原因は「電子タバコの誤った使い方」から発生しているといいます。(アメリカでの結果)
乳幼児の誤飲
最近の電子タバコはコンパクトサイズなものが増えてきており、手のひらで収まるサイズ感になってきています。
そのため、乳幼児が誤って電子タバコを飲み込んでしまうことが過去にありました。ましてや電子タバコにはリチウムイオン電池が使用されているので、飲み込んでしまうと一大事になってしまいます。
国民生活センターで「乳幼児による加熱式タバコの誤飲に注意」という参考情報が公開されるほどです。
リキッドに麻薬を混ぜる人もいる
電子タバコの販売事業者がリキッドに麻薬を混ぜることはありません。
ただ、個人でリキッドに何らかの麻薬を入れることは可能であり、第三者からもらったリキッドを自分の電子タバコで吸うことは非常に危険です。特に、CBDを含んでいる電子タバコには麻薬成分であるTHCが混入している可能性があるという研究結果も出ています。
詳しくは『CBD(カンナビジオール)を含む電子タバコや健康食品等は大麻成分THCが含まれているおそれがあるため、ご注意ください』を参照してください。
まとめ
今回は、電子タバコによる健康的被害について解説しました。
食品添加物しか使用されていないとはいえ、加熱して肺まで届いた時にどういった健康被害があるのかはまだ実証されていません。また、電子タバコに使用されているリチウムイオン電池が爆発する事故も起きていますので、まだまだ安心安全なタバコとは言えないでしょう。